顔真卿、伊野孝行と一休さん、『そばですよ』

〈顔真卿〉
メトロの顔真卿のポスター。あれれ、宋朝体で横組? しかも「顔真卿」、わが目を疑う。サブタイトルの仮名は擬古的な明朝体と宋朝体いっしょにしている。こんな仮名だって横にするのは無理じゃない? 宋朝体の仮名では変だったのか。その下の短いリードでは、似たような仮名に明朝体の漢字を合わせている(寄り引き悪し)。バラバラだね。

 

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〈さんだんじゅう〉
ラジオから、突然「散弾銃」という物騒な言葉が聞こえてきた。「散弾銃? サンダンジュウ?」。おせち料理のコマーシャルの「三段重」だった。

 

三段重

 

〈貼り紙〉
メトロのドアの貼り紙。漢字にルビ。まず上の漢字2字は中付き、下はグループルビ。〈注〉のルビが3字だけど文字が大きいのでルビは親字1字におさまる。いずれにしても字間をあけて組んでいるので、無理なく中付きで大丈夫。よく見ると字間のアキがバラついている。これくらいの字数なら、そろえるのにそんなに手間がかからないのに雑である。書体はMB101B、この仮名はクセがつよい。デジタルになってからはこの書体を使っていない。こんな注意書きに向いているだろうか。気難しいおっさんに言われているような気になる。

 

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〈伊野孝行君と一休さん〉
伊野孝行君が描いた、一休さんの絵の展示が、11月から12月にかけて京都の二つのお寺であった。大徳寺塔頭の真珠庵での襖絵の競作と、京田辺の一休寺での絵巻と掛け軸。どちらも、NHKの『オトナの一休さん』(2016年、全26話。1月からまた再放送があるみたい)がきっかけだそうだ。両方とも見に行ったけれど、作品は撮影できなかったので、お寺の周辺の写真と伊野君から借りた写真を見て下さい。大徳寺は二回行った。最初の10月14日は、大徳寺には塔頭が多いので、そっちを見物していたら真珠庵に行く時間がなくなり、11月8日に京都の友人をさそって再訪。一休寺は京都市内の中心部からは離れているので、あらためて11月30日に行く。これを逃すと、お寺以外で彼の絵を見られるのはいつになるかわからない。

 

大徳寺塔頭の特別公開。見事な庭を見ることができた

 

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真珠庵の伊野君たちの展示の看板

 

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真珠庵の由来である

 

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真珠庵のパンフレット

 

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伊野君の一休さんの御朱印帳。御朱印集めの趣味なんかないが、伊野君のためである

 

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一休寺「祖師と肖像」ポスター。伊野君の一休禅師とお寺が所蔵する重文の頂相が並んでいる

 

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一休寺の伊野君と作品

 

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一休寺の伊野君の色紙。本人に予約してもらって最後の一枚をゲットした。伊野さんありがとう

 

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一緒に売ってmoga(北野深雪さん)の大燈国師のストラップ

 

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一休寺の見事な紅葉はCMのまま

 

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一休寺のパンフレットは三つ折り。お寺を出るとき、受付でお礼をしたら係のおばさんから「ようお参りでした」と言葉をかけられた

 

一休寺_1

 

一休寺_2

 

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〈平松洋子さん〉
最近の私がデザインした本。長くなるので一回に一冊ずつ。

 

『そばですよ』平松洋子著/本の雑誌社/四六判並製
「本の雑誌」で連載中。毎月たのしみにしている読み物。いわゆる立食いそばだが(この本では立ちそば)、そば屋さんのガイドブックではない。味だけではなく、それぞれのそば屋さんのお店の雰囲気から店主や、なりたちが語られている。どの店も、平松さんの気持ちのこもった視線で書かれている。東京にある立ちそばのすぐれたルポルタージュだ。お店のなかでは、「峠そば」「ファミリー」「はせ川」「田舎そば かさい」で食べた。最初の2店は、本文のカラー口絵の撮影のときにいただいた。どちらも美味しい。「はせ川」は仕事場の至近距離で、「かさい」は地元の中野駅前なので、連載を読んでから、何度か食べた。この本を読むと紹介されている全ての店を訪ねたくなる。先日、「人形町ヴィジョンズ」での「風刺画なんて」展のついでに、編集長の浜本さんおすすめの「福そば」に寄った。ここもよい。カバーの絵は、庄野ナホコさん、口絵の写真はキッチンミノルさん。
平松洋子さんが自分の本について「週刊文春」(12月13日号)の連載「この味」で書いている。
〈夜も明けないうちから毎朝だしを引き、つゆを仕込み、天ぷらを揚げ、自分の味をお客に手渡す個人店の暖簾の奥をじっくり取材させていただいた。〉

 

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〈京都の写真〉
京都の地下鉄烏丸線今出川駅のおじさん。

 

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太い丸ゴシックと太い楷書の組み合わせ(下鴨神社にて)

 

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「こわれやすい」という名のパーマ屋さん。FRAGILEといえば、STINGの名曲。建物と書体の組み合わせが絶妙。角でスペルを割っているのもセンスいい。

 

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自動車屋さん。堂々とした文字

 

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いい丸ゴシックじゃないですか

 

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プラハのキュビズム建築を思い出す。この窓の多さとビルの形

 

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太い楷書。誰が書いたのかな。糊のきいた白い暖簾とのコンビネーションで美味しそう

 

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すりガラス。上のほうでグラデーションにして、最初の一字が抜きになっていない不思議なデザイン。

 

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一汁四菜、五百円定食。黄色い紙にオレンジのギンガムチェック

 

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歯医者さんの看板

 

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今日の一曲は、ベタだけど

Fragile/Sting