〈竹内みか〉

描き癖にまかせた、個人的なファンタジーや身の回りの小物の退屈な絵や、スタイルだけの浅薄な風景や人物のスケッチではなく、はっきりと自覚して自分が描きたいものに焦点を絞っている。それに合う表現手段と技術がある。彼女が描くのは遊園地にある「メロディペット」。さまざまな模索のあとにこのモチーフに出会った。大切なのは「どう描くか」ではなく「何を描くか」である。

去年、HBギャラリーの「ファイルコンペ」に応募したが、大賞をとったという連絡があるまで、そのことは全く忘れていた。神戸生まれの神戸育ち、阪神淡路大震災のときは小学一年生だった。

HBギャラリー「ファイルコンペ日下潤一賞/竹内みか個展『センチメンタルパーク』7月28日(金)から8月2日(水)まで

 

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〈石川九楊展〉

7月5日から、「書だ! 石川九楊展」が始まった。チラシ(裏面4種)、ポスター、図録(縦横二分冊)などをお手伝いした。よく考えられた展示デザインで見応えがある。じっくりと石川さんの作品を鑑賞できる。これほどまとめて見られるのは貴重な機会だ。ぜひ、ご覧いただきたい。30日まで。

美術館の大きな壁面のそばにいるのは、私のアシスタントの赤波江さんと京都精華大教授の高橋トオルさん。入口の看板には字游工房の鳥海修さん。いずれも内覧会で。

 

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〈K〉

『K』谷口ジロー:画/遠崎史朗:作/リイド社/1988年刊/part 1から4まで/A5判/並製

『K』谷口ジロー:画/遠崎史朗:作/双葉社/1993年刊/part 5が追加されている/A5判/並製

 

両方とも私のデザイン。リイド社のはジャケットだけ外回りのみ。双葉社の本では、目次、扉、奥付、ノンブルと柱をあらためて作っている。別丁扉(化粧扉)には、カラーでリイド社版のカバー絵を使用。カバーの絵は、新版のための谷口さんの描き下ろし。

 

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毎度、おなじみ「TIME」。2017年6月12日号。スローガンの「アメリカ ファースト」ならぬ「ファミリー ファースト」とは気が利いたタイトル。日本の安倍ならさしずめ「お友達 ファースト」か。彼はいつになったら国民に目がいくのか。みずからが国民の代弁者であり、委員会や国会で彼に質問をする野党議員もまた国民を代表していることが理解できているなら、安倍も菅も見え透いた愚かな言辞を弄することもあるまいに。

 

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〈多和田葉子〉

朝日新聞の新連載、「多和田葉子のベルリン通信」(5月19日)。〈歴史の輪郭が次の世代に伝わりにくくなってきた。〉というのは、日本も変わりない。21世紀は20世紀とはまったくちがう。時間はつながっているはずなのに。19世紀と20世紀もそうだったのだろう。美術の歴史をみるだけでも、20世紀は大きな変化をとげている。21世紀もまたとんでもない時代。

 

〈今ドイツ社会が揺らいでいるのは、難民を受け入れたからでもテロ事件が起ったからでもない。保守も革新も同意していた歴史の輪郭が次の世代に伝わりにくくなってきたからだ。ナチス政権が人種、思想、宗教を理由に差別、迫害、殺人を行ったこと、言論の自由を侵害したこと、ナショナリズムを煽って侵略戦争を行ったことは、どんなに政治的立場が違っていても一応みんな認めてきたはずなのに、それを平気で否定するような演説が現れ、支持者を得るようになってきた。〉

 

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〈詩/荒川洋治〉

 

「ユリイカ」4月号の、第22回中原中也賞の荒川洋治さんの選評。受賞作は『長崎まで』野崎有以(思潮社/2016年刊)

 

〈一つ一つの詩では何をしてもよい。もっといえば適当に書いてあってもいい。ゆるくても甘くてもいい。どのようにあってもいいのだ。最後に、ひとつ詩が残るかどうか。全体をつらぬく、一筋のものがあるか。それを基準に詩をみることが大切だ。(略)一見、たしかに生活作文のような流れではあるが、ところどころに、ここ、というところで、いいフレーズがあり、胸に迫る。さほど人生経験をもたない人にも芽生える強い郷愁、人間的であろうとする願いが、みごとに表現されている。

ことばの組織は、詩ではない。際立つような意匠も飛躍もない。だが、詩はどんなことばで書かれるかではない。詩で詩を書く必要はないのだ。一冊を読みおえたときに、詩があるかどうか。それで価値が決まる。『長崎まで』には、詩がある。一筋の詩を感じる。詩を書く人の才能を感じる。〉

 

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〈ソウルの表示と巻貝〉

 

前回のソウルのつづき。大統領弾劾のデモがある世宗路のそばにこんな巨大巻貝がある。一体なんだろうか。夜は隙間からライトが点灯。通りの表示は、ハングル、簡体字、日本語の三ヶ国。以前は日本語はなかった。日本人の観光客が多いのだ。空港でたくさん会った。隣国の爆買いのひともいた。

 

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〈追悼 谷口ジロー〉
谷口ジローさんが2月11日に亡くなった。このブログの原稿をいろいろ用意していたけれど、変更して私がてがけた谷口さんの本のブックデザインを紹介する。
2月17日から20日までソウルにいた。韓国出版学会主催の「韓中日タイポグラフィセミナー」に招かれて研究者にまじってブックデザインの話。セミナーは宿泊したホテルの最上階の会議室。同時通訳で、昼食をはさみ19日の午前9時半から18時まで。最終日の20日には主催者の案内を辞退し自由時間をもらい、ソウルの街を朝の10時から空港お迎えの車が来る午後に2時までぶらぶら。大型書店KYOBO(教保文庫)に行くと、谷口さんの『孤独のグルメ』の韓国版があった。

 

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〈美術館にクロークをお願いします〉
ルカス・クラナーハ展の国立西洋美術館内で見た看板。日本の美術館には、なぜ、海外では当たり前のクロークがないのだろうか。あちらでは小さなバッグ以外、リュックのような大きいものはあずけさせられる。クラナーハ展では、子供は歩かせて、自分たちの荷物をつめたベビーバギーを押しながら鑑賞している親子がいた。クロークがあればあずけられる。ここで美術館の客にたいする気持ちがわかる。クロークならば、係のおじさんやおばさん、あるいはおねえさんとコミュニケーションができる。狭くて淋しいコインロッカーはだめだ。この看板には「大きなお荷物、重たいお荷物以外はお手持ちください」と書いてあるが、そんなに大きなコインロッカーはない。世界遺産の国立西洋美術館なんだからがんばってほしい。入り口にある、あのコルビジュエの建築のファサードに似合わないカギ付き傘置きは、クロークがあればなくせるじゃないか。六本木の国立新美術館は入り口に、エントランスより偉そうにしている紀章先生デザインの専用傘置き場がある。なんだあれは。

 

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〈レナード・コーエン〉
先週、午前中のラジオ(NHK「すっぴん」金曜日)で、今週のMUSIC SCRAPの担当の中原昌也が、先月亡くなったレナード・コーエンが大好きだと言っていた。意外だったが、さすが中原昌也だと嬉しくなる。彼が追悼で選んだ3曲は、Suzanne、Diamonds In The Mine、So Long Marianne。「これ、全部おねえちゃんの歌だね」「ボブ・ディランがノーベル賞をとったけど、レナード・コーエンも、前に候補にあがったんだよね」と語る。彼はカラオケでコーエンの曲を唄うらしい。

 

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